【体験記】そけいヘルニアとの診断!入院→手術、入院日数と総費用は?
公開日:2018年10月8日
53歳で初めてこの『鼠径ヘルニア』という病気になってしまいました。
『鼠径』という漢字は普段ではあまり馴染みがなく、この病気にならなければこの「そけい」の漢字も読めなかったことでしょう。
高齢になるほど発症しやすく、特に男性に多い病気とのことです。
手術をする以外の治療では治らないことで、手術する決心しました。
今回はその体験記です。
目次
鼠径ヘルニアとの診断、初めて知った病名で、いわゆる脱腸でした
私が小学生時代の子供のころは、「脱腸」ということばはよく耳はしていましたが、「脱腸」=『鼠径ヘルニア』ということは、診断結果のなかで初めて知った病名でした。
先生の説明では、
①鼠径(そけい)とは…鼠径部→からだの太ももの付け根付近の部位
②ヘルニアの意味…ラテン語で「臓器がはみでる」という意味
①と②を合わせると、『太ももの付け根部の付近から臓器がはみでる』ということです。
<イメージ図>
加齢によって筋肉などの組織が弱くなることで発症するようで、日頃、重いものを持つ仕事をする人もなりやすいとのことです。
まさしく、私自信、仕事で毎日重いものを持っており、年齢も考えると条件は合致します。
そして、私の場合は、右太もも側に発症したため『右内鼠径ヘルニア』と診断されました。
この部位にしこりというか、こぶというか、今までにはなかったものが出現してきたのです。
そのうちには睾丸のところまで落ちてきた感じで、睾丸が3つ?…という異常事態にかなりあせりました。
このときは痛みは無く、なんとなく違和感がある程度で日頃の生活にはなんの支障もありません。
しかし、日がたつにつれ、そのしこりがだんだん大きくなってきている感じがしました。
当初は原因も病名もわからず、しこりのある部位のこともあり、まず頭に浮かんだのは泌尿器科の病院にいかなくては…ということ。
生まれて初めての泌尿器科ということで大きな不安感がありました。
通院した泌尿器科で『鼠径ヘルニア』であるとの診断を受けました。
しかし、ここで医者からは思いもよらぬ言葉が…、
<『鼠径ヘルニア』なので、泌尿器科ではなく外科に行ってください。>
意を決してきた泌尿器科だけに、拍子抜けしました。
初めから外科に行っていればよかったと。
でも、この泌尿器科の先生が外科にいくための紹介状を書いてくれたので少しは救われましたが…
私自身の初期症状、体調の異変はこんな感じでした
【初期の症状 1】
朝、便意でトイレ (洋式) で少しいきんだ時、右下腹部で「ポコッ」と何かが膨らんだ感じの違和感。
この違和感が気持ち悪いので、排便時はたえず手で右下腹部を押さえるようになる。
【初期の症状 2】
立っているとき右下腹部が張っている感じする。日が経つにつれ、その頻度が多くなる。
痛いという感じでははく、引っぱれれるというか、張った嫌な違和感。
【初期の症状 3】
睾丸が3つあるという感じで何かしこり、コブのようなものが出現する。
そのうちに、睾丸の大きさをはるかに超えるほど大きくなる。
朝起きたときには、このしこりのようなものはありませんが、時間が経つと(立っている時間)、再び出現する。
私はこの、【初期の症状 3】の時点で病院にいく決断をしました。
下腹部の張り感はあるものの、激痛とかは無いので通常の生活には大きな支障はありません。
しかし、毎日このしこりのようなものが気になるストレスは解消されません。
このブログを読んでいただいた方で、私と似たような症状の場合は大きな壁の泌尿器科ではなく、まずは外科に行って診断を受けてみてはいかがでしょうか。
鼠径ヘルニアの手術方法って? 手術の内容、入院の日数は?
【手術の内容】
(開腹手術)
鼠径部を切開して、メッシュ(人工物)を入れて固定する方法。
このメッシュはポリプロピレンという人体に無害な素材です。
手術時間は30分~1時間程度。
術後に腫れが残ることと、腹腔鏡手術と比較すると痛みが強いことがあります。
(腹腔鏡手術)
へそと下腹部にポートを挿入してカメラモニターを見ながら行なう手術です。
傷が小さいため痛みが少なく退院も早く、病院により日帰り手術も可能です。
ちなみに私の行った手術は、<開腹手術> でした。
【入院日数】
病院等の基本方針、病状、健康状態、体力、年齢等で異なりますが、滅多なことでないかぎり長期化することはありません。
入院日数は、1泊2日もしくは2泊3日が主流で、長くても3泊4日です。
忙しい方、時間がとれない方のために日帰り手術を行っているところもかなり多くあります。
日帰り手術のの場合、手術方法は「腹腔鏡手術」になります。
「開腹手術」の場合は術後の痛みがかなりあるため、入院するかたちになるでしょう。
私の場合は、「開腹手術」で2泊3日の入院でした。
手術をするために病院に入院した私の実記録
[1日目]入院日
AM 11:00 家族 (妻) と一緒に病院へ。
入院手続き、担当医師からの病状及び手術の説明を受ける。
PM 1:00 病室に入る。
メディカルチェック(体温、血圧、脈拍等)を受けて、点滴開始。
☆食事等は入院当日前夜のPM 8:00以降不可。
PM 3:00 手術開始
PM 4:00 約1時間後、手術終了。病室へ戻る。
☆麻酔の方法も病院によってそれぞれですが、私の場合は全身麻酔でした。
PM 11:00 麻酔もきれ、かなりの痛みがでてくる。
看護師さんが、痛み止めの点滴をしてくれましたが、寝返りに苦労するほどの痛みはつづき、手術当日の夜はほとんど寝むれませんでした。
[2日目]
AM 6:00 痛みは夜中ほどではないが、結構まだ痛い。再度、痛み止めの点滴をしてもらう。
点滴後、1時間くらいでだいぶ痛みは引いてきたが、ベットで寝返りをうつとまだ激痛がする。
痛くて寝返りもできないので腰もかなり痛くなり、傷の痛みと腰の痛みで苦痛なときでした。
AM 12:00 入院して初めての食事。久しぶりの食事ですが、通常食でした。
痛み止めと時間の経過で激痛の度合いはだいぶ減ってきたが、まだ結構痛い。
昼食を完食後、昨夜痛みで寝られなかったせいか睡魔が襲ってくる…眠い。
入院中なので、時間はたっぷりあるので眠いときに眠れるのはとてもありがたい。
zzz…
PM 3:00 点滴が終了とのことで注射針を抜く。
痛み止めは点滴から飲み薬に変更とのこと。
飲み薬の痛み止めは、知る人ぞ知る「ロキソニン」でした。
今飲む分を貰いました。
PM 5:00 夕食。入院して2回目の食事。味とかは…、どうでもいいんです。
これからの時間が長すぎる。
痛みもだいぶ引いてきているが、少しでもおなかにちからが入ると激痛がする。
からだはできるだけ動かさないようにしてテレビをみて時間を潰す。
PM 9:00 消灯時間。今夜は眠れるのかな?、という不安がありました。
そんなとき、隣のベットのひとが「看護師さん、ミンザイ (睡眠剤) お願いね」と言いました。
私も反射的に、「自分もミンザイ (催眠剤) と痛み止めをお願いします。」と言っていました。
看護師さんは「わかりました」と、何を聞くでもなく持ってきてくれました。
痛みも昨晩とは比較にならないほど治ってきており、薬を飲めば今夜はぐっすり眠れそうです。
[3日目]退院日
AM 5:00 起床。病院の起床時間までかなり時間がある。
痛みもだいぶ引いてきたのと、睡眠を多くとれたことで良い目覚めでした。
なにしろ、今日が退院日ということが一番の効果かもしれません。
朝食は8:00なので、まだたっぷり時間があります。
まだ痛みはありますが、人のいない薄暗い病棟を歩き自動販売機まで行き、缶コーヒーとジュースを買ってきました。
たかが缶コーヒーなのにすごくおいしく感じました。
AM 8:00 朝食。入院して3回目の最後の食事。
AM 10:00 病院の会計課から精算のための請求書が届く。
2泊3日で入院、手術したときの費用はどのくらいか?
条件がいろいろと絡んでくるので一概に費用はいくらとは言えません。
病院、手術方法、入院か日帰りか、入院の場合はどのくらいの日数か、等の条件があるからです。
かなり大まかな平均的費用としては、保険適用3割で、80,000円~100,000円くらいと言われています。
では、実際に私が「そけいヘルニア手術」でかかった費用を条件付きで書いてみます。
①【手術方法は?】開腹手術 (メッシュ (人工物) 固定)
②【麻酔方法は?】全身麻酔
③【入院日数は?】2泊3日
④【ベット差額?】大部屋使用でベット差額は無し
⑤【保険適用は?】健康保険 3割負担
上記のこれらの条件で「そけいヘルニア手術」での私が支払った額は、
75,324円 (税込) でした。
ほぼ、支払い平均額に近いですね。
そけいヘルニア(脱腸)は外科の外来ではよくみられる一般的な病気で、
年間14万~16万人の方が治療を受けていると推定されているとのことです。
これって、いつ自分がなっても不思議ではない数字ですね。
似たような症状があって気になった場合は、まず「外科」に行ってみましょう。
私は勝手に「泌尿器科」と思い込み、初めて泌尿器科に行くことに対して、ものすごいストレスになりました。
「泌尿器科」関係の皆様、ごめんなさい。m(_ _)m
今回は私は、右そけいヘルニアの手術でしたが、左側がそけいヘルニアにならないよう…、祈るのみです。
↓ そけいヘルニア(脱腸)の手術後、3年が経ち…