【体験記】国家資格である介護福祉士の一つ前の資格、実務者研修の取得
公開日:2018年7月8日『介護職員 初任者研修』(以下、初任者研修)を合格したあと、学習したことが頭から抜けないうちに『介護福祉士 実務者研修』(以下、実務者研修)を受講しました。
受講の参加者は初任者研修とは違い、介護職についている人が大半でした。
もうこの時点で私のような素人と現職のプロとの差が明白です。
精神的にもプレッシャーのかかったスタートです。
目次
実務者研修を受講・修了ことは介護福祉士受験には必須条件
初任者研修及び実務者研修は国家資格ではありません。
実務者研修を修了してはじめて「国家資格である介護福祉士」の受験資格のひとつが取得ができたことになります。
そして、介護福祉士の受験資格の条件には、3年以上の実務経験が加わります。
この3年以上の実務経験とは、「従業期間が3年以上かつ従事日数が540日以上」ということです。
つまり、3年以上介護事業会社に所属して勤務し、尚かつ540日以上実務で働いた実績が必要ということなのです。
介護福祉関連の専門学校や大学からではなく、他種職業からの転職でまったくゼロからのスタートの場合の例です。
【1】介護事業所に転職して、介護福祉士として介護関連で働くことを決めている場合
① 介護事業所に転職 (事前に受講の準備)
↓
② 同事業所に勤務しながら「初任者研修を受講・修了」
↓
③ 同事業所に勤務継続で「実務者研修を受講・修了」
①~③の期間中に事業所勤務が3年以上経過
↓
介護福祉士の試験を受験する条件に達します。
【1】の場合、仕事で実務経験が出来ることと、給与収入もあるというメリットがあります。
反面、各受講は仕事を終えた後や仕事が休日のときなどの限られた時間のため、自分の時間が無くなることや、仕事と受講の同時進行で体力的な問題もあります。
そして受講も1回の受講時間が短くなるので、修了までには長期間となります。
【2】現在、介護関連とは異業種の仕事をしていていながら、今後についてはまだ決めていない場合 (私自身がこれでした)
① 在職中の会社を転職先も決めずに退職 (完全に無職の状態)
↓
② 親の高齢化(認知症有り)で介護関連従事者との打合せ機会が増える
↓
③ 転職先として介護関連も考えるが、決定には至らず
↓
④ 介護の知識はほぼ無いので知識、資格も含めて受講を決める
↓
⑤ (無職の状態で) 初任者研修を受講・修了
↓
⑥ (無職の状態で) 実務者研修を受講・修了
この段階では介護事業所勤務3年以上の経過の条件が達していないので、介護福祉士の受験はできません。
在職中の会社を退職したい…、転職先も決めていない…、資格といえる資格を持っていない…、
そして、親が高齢で介護補助を受けていて、介護関連に従事する人たちに接する機会が多くなっている。
これらのことが頭に浮かんできて、介護の資格取得の気持ちになったのです。
↓ そのとき書きました。
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■ 50歳で無職、中年男の就職活動で気づいたこと、資格がない!
■ 【介護認定と介護保険】子供が高齢になってから親の介護をする時代です
私の場合、初任者研修の時と同じ会社、同じ教室が希望でしたので『三幸福祉カレッジ』を選択しました。
今回の実務者研修の講習にかかる費用はいくら?
※ちなみにこの実務者研修についても三幸福祉カレッジは、
<教育訓練給付金制度>を利用することが可能です。
通常価格は137,160円ですが、初任者研修時と同じ会社で申し込んだので優遇特典といいましょうか、キャリア応援割引として39,960円が値引きされていて、実質 97,200円です。
すでに取得済みの介護資格によって受講費用は異なってきます。
下が資格の取得済み別の概算目安になります。
私の場合は「初任者研修」は修了済みなので、約10万~20万円の部類です。
かかる費用は各会社によってさまざまですので、費用はもちろんのこと、講習開催会社の評判、講習の日程、場所、交通の利便性等を考慮して納得したところを選びましょう。
講習の内容は、『自宅学習から始まり、終了後、通学学習』となります
通学前のこの自宅学習がメチャメチャ大変でした。
【解答】
【解答】
【解答】
上記の課題集から、なんと225問。
そして医療的ケアの課題で50問。
【解答】
五つの解答から一つの正解を選択する問題です。
このテキストをたよりに悪戦苦闘の日々のスタートです。
全問を終了後、解答書を郵送して採点をしていただきます。
ここで合格をしなければ次のステップの通学講習には入れません。
各項目70点以上で自宅学習が終了となり、やっと通学講習に入ることができます。
初日に教室に入ったときには、『実務者』ということだけあって、介護の現場で働いている人がほとんどで、初任者研修の時とはまったく違う雰囲気でした。
プロの人ばかりの中で不安な1日のスタートとなりました。
まあ、自分自身で希望してやることですからがんばるしかないですね。
そして通学講習の日程です。
・介護過程Ⅲ講習 : 5日間の通学
・医療的ケア : 2日間の通学
私の場合は日曜日が通学希望でしたので期間が長くなりましたが、さまざまな日程のコースがありますので選択により短期間での終了も可能です。
やっと、全過程の講習が終了です
介護過程Ⅲ講習と医療的ケア講習の最終日は実技評価試験があります。
かなり緊張はしますが、余程のことでないかぎり合格はできます…、できると思います… (^_^;)
これで、自宅学習及び通学講習の全過程が終了です。
後日、「実務者研修修了証明書」が郵送されてきます。
なんとか…、実務者研修修了証明書が届きました。
私の場合、初任者研修の時と同じ『三幸福祉カレッジ』の同じ場所の教室でしたので、初日の現職の方の多さにひるんだの以外はすんなりと通学講習に入れました。
講師も初任者研修の時にお世話になった方も数名いて、そのあたりは同じところでステップアップの受講するのもいいかもしれませんね。
自分自身の親も高齢になっているので、介護職ではない私にとってこの講習はいろいろな知識を得ることができて、有意義な体験となりました。
日本も「超高齢化社会」がもう間近に迫ってきていますが、まずは身近な親のこととから考えてみてはいかがでしょうか。
2050年、超高齢化社会になったときの年齢/人口の予測グラフ (参考資料)
2050年になると男性、女性ともに<75~79歳>の年齢層がピークに達します。
引用元 : 日本の福祉 – Wikipedia
介護職員が不足しているなかで、高齢者の人口は毎年増加しています。
現在は企業の人材不足が問題となっています。
特に介護職員についての不足は、さまざまな雇用条件を改善していかなければもっと悪化してゆくと思われます。
国政の介護費用の負担についても増加の一途で早期に対策をして欲しいものです。
実際に私の母の介護度は『要介護2』で、ケアマネージャー、ホームヘルパー、介護事業所、介護施設に毎日お世話になっております。
ケアマネージャーは一人で40人までの介護者を担当することが可能ということで、仕事自体が過酷すぎると感じました。
私の母の担当のケアマネージャーも65歳を越えており、身体を壊さないか心配するときも多々あります。
私自身、このブログに書いておりますが、介護職員としての、初任者研修と実務者研修の講座を修了しました。
介護職としての実務経験はありませんが、資格としては取得している状態です。私と同様な人はたくさんいると思います。
私より、もっと上の資格をもちながら介護職を離職してしまった人はさらに多くいると思われます。
私が介護関係者と話しをしているなかで感じたことは、
① 給与所得が低い
② 体力の問題 (腰痛は職業病)
③ 勤務先では人が足らない状況なので、一人当たりの仕事の負担が多い
上記の①~③は共通で多く聞きます。
このような環境でも、現在介護職を続けている方々は、常に明るく振る舞い、そして仕事のプライドを持ち、向上心が強いことには本当に頭が下がります。
そして、介護職の方々の雇用の条件が改善されることを願います。