【体験記】タクシードライバーになる為に必要な『普通二種免許』を取得
公開日:2018年8月4日普通二種免許の所得、退職するまではまったく考えもしませんでした。
車の運転自体が好きということでもないからです。
でも現状ではそんなことを言っている場合ではありません。
このブログにも書いてますが、退職して自分を振り返った時に「これといった資格がない」ことを改めて実感したからです。
目次
普通二種免許の取得条件
普通二種免許は、ハローワークで申請すれば教育訓練給付金制度が適用され、上限は10万円ですが支払額の20%が戻ってきます。
費用は25万円前後ですが、そのうちの20%となると5万円で結構な金額になりますね。
ただし注意点は、教習所によって受け付けていないところもあるので、必ず確認するようにしましょう。
普通一種免許(以下、普通免許)は35年前に取得しましたが、交通規則もいろいろと変わってきており知らない面も多々ありました。
まずは、取得の条件です。
上図、上から4番目の深視力の検査がなかなかうまくいかなかったという人が多かったです。
視力がいくら良くても、このような検査はめったなことではやらないのでうまくいかない人が多いのかもしれません。
スマホ、パソコンで目を酷使していますから、この検査の前には目をじっくり休息することをおすすめします。
つぎに、普通二種免許の教習所での学科教習及び技能教習の要する時間です。
普通二種免許の教習所での学科教習及び技能教習時間
今回私は、普通免許は取得済みで、普通二種はAT(オートマ車)限定で取得します。
【学科教習】では普通免許の時とは全く雰囲気が違います。
普通免許は受講人数が多く大きな教室で行われてますが、普通二種は受講人数が少ないため、時によっては教官とマンツーマンで行うことありました。
学科の内容は普通免許と同じものが半分くらい、それに加えて「バス」、「タクシー」の「旅客自動車に関する法令の知識」についても学習し最終の学科試験にも出題されます。
<応急救護処置学科>
普通二種は6時間の学科を受けます。(普通一種は3時間)
うち、2時間は座学、そして4時間は実習です。
座学では、ビデオを見て、応急救護の必要性、応急救護をやった、やらないときの生存率の違い、または症状によっての応急救護の仕方などを学びます。
実習は、気道確保や人工呼吸や心臓マッサージ、AEDの使い方、止血法、骨折時の固定法などをやります。
応急救護処置学科は、普段の生活においてもいざというときに活用できる内容であると思います。
最終の学科試験は、マークシート方式で95問(文章問題90問、イラスト問題5問)が出題されます。
点数は、文章問題が1問1点、イラスト問題が1問2点で、100点中90点が合格ラインです。
応用問題、ひっかけ問題も入っているため一問一問慎重にやっていくことが大切です。
【技能教習】
試験内容は、教習所内での場内試験+路上試験で、合格点数は100点中、80点以上となります。(普通免許の場合は、70点以上)
教習中は普通二種(旅客)ということで教官は乗り心地も指摘してきますが、余程で無い限り乗り心地は試験の採点には影響しません。
教習所内の試験では、S字、V字型の鋭角なコース、旋回、それ以外にも縦列駐車、方向転換などがあります。
試験内容は普通免許とさほど変わりませんが、累計の減点が20点以上で不合格となるので技術的なことはもちろんのこと、精神的な部分もポイントなってきますね。
難しすぎる!! 魔のV時型の鋭角コース
なかでも、V字型の鋭角なコースは一番苦労しました。
普段間違ってもこのような道には入っていきませんよね。
各切り返し時に、まわりの景色のどこかにあたり(ピンポイント)を見つけてそれを目安にすると教官には教わりましたが、脱輪と切り返し数オーバーで本当に苦労しました。
教習所から帰宅しても食事中、風呂、寝るとき…、この鋭角が頭から離れませんでした。
精神的な部分でもう負けてますね。
ゲームセンター感覚? シミュレーター教習
そして、V字型の鋭角なコースと同じくらい印象に残っているのがこの『シミュレーター』です。
実車教習で体験できない運転中の突発的なアクシデントをこのシュミレーターで安全に体験することができます。
悪天候時の走行、人や車の急な飛び出し等、いわゆる日頃の運転中ではよくある危険な場面を再現します。
私の場合は普通二種免許ということで、タクシーの運転のイメージなので後部座席にお客様も乗車させます。
2日間、各1時限このシミュレータ講習を受けました。2日間とも教官とマンツーマンです。
初日はゲームセンター遊ぶ感覚で、これは楽しいそうだなと楽観していました。
<シミュレータ 初日>
まずは教官から一言、運転中に気分が悪くなる人も結構いますので、そのときは無理をせずに言ってください。
ゲームセンターでは気分が悪くなることなど無かったので、人それぞれなんだろうなぁ…とその程度の思いでした。
それではいざスタートです。
スタート直後より画面のタイマーが動き出しました。最終到着地点までの時間を計測しているのです。
要は、慎重に安全運転をしながらも到着時間が遅すぎてはダメということですね。
十数秒後、お客様が交差点を過ぎたあたりで手を上げてます、いよいよ乗車です。
ここって、乗車させて良い場所だったかな?
まあ、教官に乗車拒否を指摘されかもしれないので、とりあえず乗車させます。
車を停止、そして乗車してきたのは女性でした。
行き先を告げられ、目的地に向かいますが走行ルートはこれまた画面に表示されます。
そう、タイマーと目的地までの走行ルートを見ながらの運転です。
先にも書きましたがシミュレータは、『悪天候時の走行、人や車の急な飛び出し等、いわゆる日頃の運転中ではよくある危険な場面を再現します。』
この場面が走行中に頻繁に出現してきます。
リアルなのは、ルームミラーに先程乗車した女性の顔がはっきり写っていることです。
ちょっとでも強めにブレーキを踏むようならば不機嫌な顔の表情になり、おまけに「キャ~~!」とか大きな声で不機嫌に叫んできます。
そのなかでも、タイマーは刻々と進んでいます。
いきなり現れる危険な場面を安全運転で回避すること、乗車しているお客様の表情と叫び声、容赦なく時間を刻んでいるタイマー、…等
知らず知らずに汗が吹き出てきました。
あれ、これって車酔いみたいだな…、そうなんです、完全な車酔いをしてます。
本当に気持ち悪くなり、汗もだんだんと多くでてきました。
もう、嘔吐寸前の状態です。
救いはもう少しで目的地に到着することです。
もうちょっとがまん…、そこを曲がれば終了だ!
と、なんとかやっと目的地に到着です。
しかし、お客様を降ろしたことの記憶はもちろん飛んでしまっていますが。
ん、まだ時間が半分以上残っているぞ、2回目やるのかな?
そんないやなことが頭をよぎります。
教官が今回のシミュレータ運転での注意点等を指摘してきました。
「今の注意点を意識しながらもう一回やってみましょう!」
そして、2回目のスタートです。
スタート後、タクシー待ちのお客様がいたのですが、目には見えているのに体が反応せず、思い切りの急でブレーキ停車で教官の強い視線を感じました。
それから1分後くらいに神のお告げが。
「今日のシミュレータはこれで終了にしましよう。今日の注意したことをきちんと確認して次回は改善できるようにしましょうね。」
やっと終了です、ホントよかった!
でもこれって、途中終了みたいだけど修了のハンコ押してもらえるのかな?、ちょっと不安です。
今日の指摘されたことの復習をしながら教官のことをチラ見しながら終了のチャイムが鳴るのを待ちました。
チャイムが鳴ったと同時にハンコを押してくれました。
ありがとうございます!
最後に教官から一言…
「次回は酔い止めの薬を飲んだ方がいいですよ、飲んでくる人も多いですからね」
なるほど、次回のために帰りに酔い止め買うこととします。
学科内容について全過程修了の認可を受けたら技能試験です。
卒業認定技能(実技)試験 <教習所の卒業試験>
技能試験は、「場内試験」と「路上試験」で、先にも書きましたが100点中80点が合格ラインです。(普通免許は70点)
「場内コース試験」
普通免許でも同じですが、乗車前のドアを開ける前の時点からすでに安全確認に関する評価は始まっています。
特に普通二種免許となると、全ての「安全確認」が重要視されるので確認していることを試験管に大げさにアピールするくらいでいいかもしれません。
ポイントになるところは、
①『縦列駐車』
②『方向転換』
③『V時の鋭角コース』
①~③のうち2つが試験対象に入ります。
特に③『V時の鋭角コース』については、ほぼ確実に入ってきます。
ですから試験は、③+ ①または② になります。
「路上コース試験」
まずは、安全確認が最重要視されます。
特に路上コースは信号機が多くでてくるので、これがかなりやっかいものなのです。
車の進行方向と平行する横断歩道の信号の青点滅が数十メートル先に見えてしまったときは本当に最悪です。
進行方向の信号が青から黄色に変わるタイミングでアクセルもしくはブレーキに変わる訳ですから。
私自身、路上コース試験のなかで、信号が青点滅から黄色に変わる最悪のタイミングに直面してしまいました。
「マジかよ~」と思いながら、アクセルを踏み込んで交差点の突破を図ってしまいましたが…
当然結果は、試験官に急ブレーキ踏まれて検定一発中止でした。
教訓になったのは、遠くに信号が見えた時点で進行方向と平行する横断歩道の信号を確認しながら走行すること。
そして、かなり手前からスピード速度を調整をして余裕をもって交差点に進入するということでした。
日頃の運転でこのような場面は日常茶飯事であることです。
信号が黄色でアクセルを踏み込むこともあるので、頭ではわかっていても身体が自然に反応してしまうのでしょう。
そして普通免許と異なる実技試験としては、
①転回
路上コースで決められた場所で行います。
切り返しはやってもかまわないのですが、前後両方向から来る車にブレーキを掛けさせたり停止させたら減点の対象です。
前後方向から車が来てしまうのと来ないのでは精神的にも大きく変わるので、そのときのタイミングの運もありますね。
②指定場所への停止
試験官が指定した場所に停止します。これは乗客を降ろす想定です。
停止禁止場所を避けてなるべく停止指示位置に近い場所で停止します。
指示場所よりかなり離れてしまうと減点の対象になってしまいます。
③客を乗せることを想定した停止
試験官がピンポイントで停止位置を指示してきます。(あの看板の電柱等)
客を乗せる想定で、バックドアの中心が指示位置にくるように停止します。
「路上コース試験」については、走行コース及び停止指示場所を覚えることが重要です。
そして最も重要視されるのが『安全確認』です。
これでもかというくらいにやって良いかと思います。
最終検定の1回目は先にも書きましたが、試験官に急ブレーキ踏まれて検定一発中止で不合格でした。
そして追加補修で実技教習を行い、再度検定試験に臨みます。2回目…、なんとか合格しました!
運転免許試験場での試験・免許証の交付
合格ラインは100点中、90点以上なのでいくら勉強をしても自信がありません。
実際そんな心中で試みました。
しかし、結果合格しました。当日は普通二種免許を受験した人は10人くらいいましたが、合格者は私を含め3名でした。
合格当日に新たな免許証を受け取り、これで全て終了となりました。